【重点課題2】資源循環の促進
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。
基本的な考え方
富士フイルム神奈川工場足柄サイトの水源
富士フイルムグループは、創業時の主力製品である写真フィルムの主要原料が貴重な天然資源の銀であること、製造には「大量で清浄な水と空気」が不可欠なことから、資源の有効利用の重要性を認識し、創業当初から水使用量の削減、水のリサイクル使用、銀の回収再利用、複合機・複写機での資源循環システムの確立など、資源投入量の削減に積極的に取り組んでいます。3R(リデュース、リユース、リサイクル)を考慮した製品設計、製造段階でのロス削減、使用済み商品の回収・リユース・リサイクル、廃棄物の有価物化やリサイクル活用にわたるライフサイクル全体での総合的な取り組みを通して、資源の有効利用、廃棄物削減に取り組んでいます。
目標
- (1) 2016年度廃棄物発生量を2012年度比8%削減
(2) 2020年度までに資源投入原単位を2012年度比10%削減(2016年度までに主要製品の原単位指標の設定・検証など、仕組み化)
(3) 売上げ当たりの水使用量(水原単位)の2012年度レベル維持
2016年度の活動
<トピックス1>地下水保全活動
富士フイルム九州が「地下水保全顕彰制度」で初代グランプリ
くまもと地下水財団の「地下水保全顕彰制度」において、富士フイルム九州(FFQ)が初代「最優秀グランプリ」に選ばれました。熊本市は、100万人都市でありながら水道水を地下水で賄う世界的に見ても稀な自治体で、貴重な資源を後世につなぐために、地元企業・団体と連携した地下水保全活動を行っています。
FFQは地下水保全の一環として、南阿蘇村の原野約5haへの植林や、水田でのかん養活動、雨水管理などを継続してきました。今回の受賞はそれらに加えて、環境対話集会や工場見学会などの地域貢献活動も評価されました。今後も自然と地域と共生する企業として、熊本の地下水保全をけん引する活動を行っていきます。
3カ所の調整池で雨水を地下浸透させるなどの雨水管理や工場での地下水リサイクル
水田を借り上げて冬場も水を張るかん養(地表の水が地下に浸透し、地下水となること)活動
<トピックス2>廃水回収システム
米国カリフォルニア州の水不足改善に貢献
FDMXに導入された廃水リサイクルシステム
2016年、産業用インクジェットプリンターのヘッドを製造するFUJIFILM Dimatix, Inc.(FDMX)は、下水道に排出していたAWN(*)廃水を回収・浄化するための貯蔵タンクと、廃水に含まれる様々な不純物を取り除くことができる濾過装置を備えた逆浸透膜システム(処理能力:毎分40ガロン=約152リットル)を設置しました。2016年2月の本システム稼働開始により、下水道に排出していた廃水の約80%(約28,800〜32,800ガロン=約109.4~124.6トン)をリサイクル可能にし、新たな水使用量を1日あたり約30,000ガロン(約114トン)削減しました。2017年6月までの累計では、約13,000,000ガロン(約49万4,000トン)の水をリサイクルしています。またFDMXは、AWN回収タンクのアップグレードを進めており、これが完了する2017年12月には、「下水道への排出ゼロ」を達成するとともに、水道水の使用もさらに削減できます。
カリフォルニア州は数年続く記録的な干ばつにより、厳しい節水を行っており、FDMXの対応はこうした状況に貢献できるものとして期待されています。
* AWN(Acid Waste Neutralization):酸性の廃水を中性化すること
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