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【重点課題1】安全、安心な社会づくりへの貢献

 

※このページはサステナビリティレポート2018の記事内容です。

目標と主な成果

2030年目標

現代社会において、人々の安全を脅かすリスクは多様化し、急激な情報化に伴うネット犯罪やデジタルデータの管理、社会インフラの老朽化など、新たな問題が発生しています。富士フイルムグループは、変化する社会のリスクに対応し、被害を低減する新たな技術を開発・普及させることで、ビッグデータ時代のデジタルデータの安全な長期保存、情報セキュリティの向上、社会インフラ整備など、安全・安心な社会づくりに貢献します。

2017年度の活動

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【目標】アーカイブデータのテープ保存率100%を目指す

  • 「 ビッグデータ・IoT時代を支える総ユーザーコストに優れた大容量データテープ」で第7回「ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」受賞(富士フイルム)

【目標】非破壊検査システム等の提供を通じた老朽化・不具合の検査工数短縮

  • 社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」の提供開始(2018年4月)

【その他の主な活動】

  • 一意識別技術「Yoctrace(ヨクトレース)」の開発⇒セキュリティ強化、偽造防止に貢献
  • 車載用カメラモニターシステムの国連規則「UN-R46(*)」の検査に対応した分析・検証ツール「CMSチャートセット」FC-UNR46SET発売(2018年3月)⇒自動車運転時の安全性向上に貢献

* 「UN-R46間接視界に関する協定規則」:UN-R46は、自動車の間接視界に関する協定規則。2016年6月に発効した規則改定により、自動車に装備されているミラーを、カメラモニターシステムに完全に置き換えることができるようになり、完全ミラーレス車の製造が可能となった。日本においては、国連規則であるUN-R46を採用することにより、従来のバックミラーなどの代わりに、UN-R46で定義されているカメラモニターシステムを装備することができる

今後の活動&目標

  • 磁気テープのさらなる大容量化により、世の中のデータの安全・安価・長期保管を推進
  • 一意識別技術「Yoctrace」によるセキュリティサービスの提供、品質安全管理などへの活用

トピックス

ビッグデータの安全な長期保管を支える
(大容量磁気テープで第7回「ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」受賞)

富士フイルムは「ビッグデータ・IoT時代を支える総ユーザーコストに優れた大容量データテープ」で、第7回「ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞」(製品・技術開発部門)を受賞しました。2011年、世界で初めて「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」を採用した磁気テープを商品化し、記録密度を劇的に飛躍させることで当時の技術で限界に近づいていた磁気テープの課題を解決。大容量化を実現し、発売以降、世界中で同磁気テープを使用したデータストレージシステムの開発が加速しています。今回の受賞は、データを保管した際のトータルコストの削減に寄与する大容量磁気テープの開発により、「活用が進むビッグデータを安全・安価・長期に保管したい」という社会のニーズに応えたこと、また、磁気テープの今後のさらなる大容量化の道を拓いた点が高く評価されたものです。富士フイルムは、今後もさらなる大容量化を進め、貴重なデータの安全な長期保管に貢献していきます。

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社会インフラの安全な維持管理を支援
(社会インフラの点検作業時間を半減する画像診断サービス)

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点検現場で検査を行う橋梁やトンネルなどのコンクリート表面を撮影。その画像をサーバーにアップロードすることで、幅0.1mm以上のひび割れの高精度な自動検出結果を得ることが可能(赤線部分)。画像の合成や、ひび割れ検出結果のCADデータの作成なども自動で実施

富士フイルムは、医療用画像診断システムで培った高精度な画像解析技術を活用した社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」の提供を開始しました。日本では高度経済成長期に集中的に整備された橋梁やトンネル等の社会インフラの老朽化が進んでおり、国や自治体は定期点検の義務化や点検内容の厳格化を進めています。しかし従来の点検方法は、高度な技術・ノウハウを持つ熟練検査員が近接目視で確認したひび割れなど、点検結果を写真撮影やスケッチで記録し、さらにその記録をデータ化して報告書を作成するため、多くの作業時間がかかり、検査人員の確保も課題となっています。

 「ひびみっけ」は、サーバーにアップロードされた橋梁などの撮影画像から、自動的に、複数枚の画像の合成、AIを活用した画像解析によるひび割れの検出、検出結果のデータ化などを行うクラウドサービスです。人手による点検業務を支援し、作業時間を半減させ、大幅な効率化と精度向上に寄与します。富士フイルムは「ひびみっけ」の提供を通じて、社会インフラの安全、効率的な維持管理、また作業効率向上により、働き方改革にも貢献していきます。

偽造防止への貢献
(セキュリティ強化、偽造防止に貢献する高度な画像処理技術)

近年、様々な模倣品の流通が拡大、模倣品や海賊版などによる被害が世界総貿易額の約2.5%に相当する5,000億ドルに迫る(*1)とされ、世界的に大きな問題になっています。

富士ゼロックスの開発した一意識別技術「Yoctrace(ヨクトレース)」は、工業製品などの物体表面に製造工程で偶然生成されたランダムパターンを使って、個体一つひとつを識別する技術です。指紋認証のように指紋の特徴点を抽出して照合するのではなく、ランダムパターンをもった画像全体を照合するため、きわめて精度が高い照合が行えます。そのため、高いセキュリティが要求される商品券やIDカードの偽造防止への利用が可能です。またブロックチェーン(*2)技術と組み合わせることで、仮想通貨のセキュリティ強化にも貢献できます。2018年秋からは、セキュリティ媒体専門の印刷会社である昌栄印刷株式会社が、富士ゼロックスの技術を活用した高度な真贋判定及び認証などの5つのデジタルセキュリティサービスを開始する予定です。富士ゼロックスは今後、一意識別技術の特徴を生かし、偽造防止だけでなく、製造工程の品質管理や物流のトレーサビリティーなどにも活用を検討していきます。

※1 2016年4月発表。経済協力開発機構による

※2 ブロックチェーン:ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードが連続的に増加したリストを持つ分散データベース

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