【重点課題1】グローバルなコンプライアンス意識の向上とリスクマネジメントの徹底:2015年度の活動「人権の尊重」
※このページはサステナビリティレポート2016の記事内容です。
人権の尊重
アメリカ、ドイツ、デンマークの国際的なCSRイニシアティブの方々とダイアログを開催
富士フイルムグループは、「基本的人権の尊重」を当然果たすべき基本的な概念として認識し、「富士フイルムグループ企業行動憲章・行動規範」に明確にうたっています。従業員には、行動規範の巻末にある宣言書にサインをさせるとともに、定期的に、人権尊重や差別撤廃を目的とした研修会を開催するなど、従業員が人権に関する理解を深められるような活動を推進しています。
自社内の点検という観点で、富士フイルムでは2013年度から業務全般に関する自己評価リストの中に、人権課題に関する項目を組み込み、国内海外すべての関係会社において自己監査を展開しています。一方、2015年に施行された英国の法律「現代奴隷法」や、2012年に施行された米国カリフォルニア州の「サプライチェーン透明法」など、近年、欧米を中心に、自社だけでなく、サプライチェーンにおいても人権を尊重した取り組みを求める動きが活発化しており、当社もグループでCSR調達活動を進めています。
富士フイルムホールディングスは、人権デューディリジェンスの取り組みを進めるため、2012年から「経済人コー円卓会議日本委員会」が運営する「ニッポンCSRコンソーシアム」に参加し、国際会議での議論や、パブリックコメントなどを受け、自社における人権リスクへの対応の検討を進めています。参加4年目となる2015年度は、国際会議において、当社グループのCSRの考え方、及び主に当社の人権デューディリジェンスの取り組みの一つとして注力している、調達先でのCSR推進活動に関して、有識者とのダイアログを実施し、当社の取り組みに関してのご意見を伺いました。
ステークホルダーコミュニケーション:人権デューディリジェンスへの取り組みに関するダイアログ
富士フイルムグループの人権課題の抽出:ダイアログの発表資料(抜粋)(PDF:536KB)
またUNEP FI(国連環境計画金融イニシアティブ)※が策定した「人権ガイダンスツール」(2011年策定、2014年改正)を参考に、2013年度に同コンソーシアムが策定した「業界毎に重要な人権課題(第二版)」のうち、化学・建築材料業の視点で、追加・削除・修正事項があるか、見直しを行いました。2015年度の特徴として、近年日本で高い関心を集める性的マイノリティ問題や外国人実習生・労働者問題がNGO/NPO、及び有識者より問題提起がなされ、全11業界でその問題提起も含めた形で、人権課題の特定を行いました。
- ※UNEP FI:国連環境計画金融イニシアティブ。1992年設立の国連環境計画(UNEP)と金融機関の自主的な協定に基づく組織。銀行・保険会社・証券会社など約200の機関が参加。環境保護・社会の持続可能性に配慮した金融事業を推進するため、調査・情報交換などを行う。
化学・製薬業において重要と考える人権課題
今後の進め方
近年の人権に関する国際的な動きを考慮し、当社グループの姿勢をより明確に表明するため、グループ企業行動憲章・行動規範に加え、新たに人権方針を制定し、グループ内外での取り組みの強化を図っていきます。また、人権デューディリジェンスへの理解をさらに深め、より一層活動に生かしていくため、自社のみならず、他社との検討や、外部の意見を積極的に取り入れる活動を継続し、人権課題の重要性についてグループ内での啓発を続けていきます。