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環境:事業を通じた社会課題の解決

 

<事例3> 天然エネルギー資源を高効率・低エネルギーで活用可能にするガス分離膜モジュール

[重点課題3]

エネルギー問題は、CO2排出量削減とともに、環境問題の中でも最重要課題の一つです。貴重な天然エネルギー資源を有効に、少しでも長く活用していく方法が模索されています。

富士フイルムが開発したガス分離膜モジュールは、天然ガス田から産出されるガス中に含まれるCO2を除去するために使われます。天然ガスは、CO2をはじめさまざまな不純物が混ざった混合ガスであり、多くの段階を経て分離・精製することで、クリーンなエネルギーとして製品化することができます。現在、CO2の分離には、化学吸収法、物理吸着法などの方法が用いられていますが、これらの方法はエネルギー消費量が多く、大規模な設備が必要となるため、ガス精製においてCO2分離コストの占める割合が非常に大きいことが課題となっていました。

これに対し「膜分離法」と呼ばれる方法は、膜によって各気体の透過速度が違うことを利用して、混合ガスから気体を分離する方法です。他の分離方法に比較すると、エネルギー消費量を劇的に減らすことができ、設備のコンパクト化により低コストも期待できます。富士フイルムの開発したガス分離膜は、富士フイルムのコア技術であるポリマー技術と精密塗布技術を活用、ナノ構造の分離膜によりガス分離の高効率化を実現しています。高効率化・低コスト化が進めば、埋蔵量が多いといわれながらもこれまで開発が遅れていたCO2濃度の高い天然ガス田、中小規模ガス田などの開発が、一気に進む可能性があります。富士フイルムでは、すでに海外のガス田で実証実験を開始しており、製品化を目指して準備を進めています。

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※このページはサステナビリティレポート2014の記事内容です。


   
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