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健康:事業を通じた社会課題の解決

 

<事例3> 感染初期のインフルエンザでも早期発見を可能にした高感度検査技術

[重点課題2]

インフルエンザ患者の多くは、子供たちや高齢者。特に抵抗力のない小さな子供はなるべく早い治療が重要です。しかし従来のインフルエンザ検査技術では、発症して時間がたちウイルスの数が増えるまでウイルスの有無を確認しにくく、感染判定が困難なことが課題となっていました。そこで「富士ドライケム IMMUNO AG1」に採用したのが、富士フイルムが持つ写真を現像する時に銀を増幅する技術です。従来は、インフルエンザウイルスに反応する目印(金コロイド抗体)を使って検出していましたが、その目印に銀を吸着させ、銀の増幅反応によって目印の大きさを大きくしたことで、発症初期のわずかなウイルスでも見つけられる可能性が高くなったのです。さらに機械が自動判定するため、目視判定のように個人によって誤差が生じる心配もありません。

現在、このようなPOCT(*1)検査は、手軽に誰でも扱え、結果もわかりやすいことから、新興国への普及も期待されています。日本では医療の進歩により感染症による死亡はかなり減少していますが、特にアジア、アフリカなどは、まだまだ感染症による乳幼児の死亡率が高く、今後は世界各地の感染症の早期発見に役立てていきたいと考えています。

*1 POCT(Point of Care Testing):POCTは、処置室・診察室、集中治療室、ベッドサイトなど、患者さんに近いところで迅速に実施可能な検査の総称

[写真]写真現像の銀増幅技術により、感染症検査を進化させた「富士ドライケム IMMUNO AG1」。簡単操作で感染症の迅速検査を支援する

写真現像の銀増幅技術により、感染症検査を進化させた「富士ドライケム IMMUNO AG1」。簡単操作で感染症の迅速検査を支援する

[写真]従来はウイルスに目印となる金コロイド抗体を結合させ判定を行っていたが、その目印に銀を吸着させて、さらに大きくする高感度検出技術を開発。直径約50nmの金コロイドの周りに銀が増え、数十秒で直径約100倍に膨れあがるため、ウイルスが微量でも発見しやすい

従来はウイルスに目印となる金コロイド抗体を結合させ判定を行っていたが、その目印に銀を吸着させて、さらに大きくする高感度検出技術を開発。直径約50nmの金コロイドの周りに銀が増え、数十秒で直径約100倍に膨れあがるため、ウイルスが微量でも発見しやすい

※このページはサステナビリティレポート2014の記事内容です。


   
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