【重点課題3】CSR視点でのバリューチェーン・マネジメントの強化
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。
基本的な考え方
富士フイルムで実施したお取引先説明会
富士フイルムグループでは、企業の持つ社会的責任や企業倫理の重要性を認識し、調達においてもCSRに配慮した「富士フイルムグループ 調達方針」を掲げ、その実現に努めています。
グループとして、事業活動を通じてお取引先とともに発展していくことを目指し、公平で公正な取引を実践するとともに、特にサプライチェーンにおけるCSR推進の重要性について、お取引先にもご理解いただくことでパートナーシップを強化しつつ、さらなるCSRの向上に努めています。
目標
- (1) 重点調達先のCSR実態把握および当社からの期待周知、改善要請
(2) 調達における生物多様性に関する法制化へ確実に対応
<トピックス>サプライチェーンマネジメント
CSR調達におけるリスクへの対応
グローバルに事業を展開する富士フイルムグループにとって、サプライチェーンにおけるCSRの推進は重要な課題の一つです。富士フイルムグループでは、2015年3月にグループの調達方針を改定するとともに、「調達におけるお取引先へのお願い」を明示しました。お取引先への説明会を実施し、考え方の周知・理解を進めるとともに、日本・中国を中心にCSRセルフチェックリストにご協力いただき、お取引先の取り組み活動の調査とリスク評価を行っています。調査の結果、改善の必要性があるお取引先については、改善を要請するとともに、改善支援活動等も行っています。
また化学物質と人権については、近年各国の法規制が増加・強化傾向にあることから、富士フイルムグループとして監視を強めていく必要がある分野です。そのため2016年度は、人権課題の潜在リスクについて、事業分野ごとに検討を行いました。化学物質管理については、製品中の化学物質情報を企業間で授受するための新たな仕組み「chemSHERPA(ケムシェルパ)」を、富士フイルムで導入に向けた準備を進めてきました。今後は、さらにサプライチェーン上のリスク評価・分析を進め、お取引先と連携しながら改善活動を行うことで、持続可能な調達活動を実現していきます。
2016年度の活動事例
説明会でCSR調達に関する活動や、新情報伝達スキーム chemSHERPAの導入計画を説明
chemSHERPAの導入計画を発表したお取引先への説明会
富士フイルムは、「富士フイルムグループ調達方針」に基づき、富士フイルムや関係会社が調達する物品について、「富士フイルムグリーン調達基準」を定めています。近年、「化学物質による健康と環境への悪影響を最小化する」という国際目標の下、世界で化学物質に関わる規制が強化されていることを背景に、富士フイルムでは、製品中の化学物質の情報を企業間で授受するための新たな仕組み「chemSHERPA(ケムシェルパ)」(*)にいち早く賛同し、サプライチェーンへの普及を開始しました。
お取引先向け説明会を開催し、CSR調達に関する説明とともに、chemSHERPA導入計画を発表、本基準に適合した製品のために必要な化学物質情報の提供方法を詳しく説明しました。当社にはあらゆる分野のお取引先がいらっしゃるため、個々の事情を考慮したきめ細かな支援ができるよう、少人数での説明会を実施し、説明会後もメールなどでお問い合わせに対応しました。
* chemSHERPA:経済産業省の主導で開発された国際標準化を目指した情報伝達の仕組み
「取引先向け環境・安全衛生・労務管理実務セミナー」3カ年計画が終了
富士ゼロックスでは、特に富士ゼロックスシンセン(中国)のお取引先に対して、環境、人事などの専門的なスタッフが訪問し、アドバイスすることによって改善を進めています。しかし、お取引先を1社ずつ訪問する方法のみでは、アドバイスの提供件数に限りがあるため、2014年度より3カ年計画で、訪問に加え、「取引先向け環境・安全衛生・労務管理実務セミナー」を開催しました。これは、お取引先生産拠点のトップや管理責任者に集まっていただき、富士ゼロックスのスタッフが環境、人権・労働、企業倫理に関する取り組みや新しい法規制などへの対応方法といったノウハウをお伝えするものです。2014年度は安全衛生、2015年度は労務管理や環境保全などのメニューや、富士ゼロックスが従業員に提供してきた支援プログラムの説明を追加するなど本格化、お取引先の管理責任者(延べ1,000名以上)にノウハウを提供しました。2016年度は、企業倫理管理を含む4テーマについて、法律要請事項の説明や改善事例を展開し、約1,800名に参加いただきました。
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。