健康
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。
基本的な考え方
「健康」は人々にとって最も関心が高く、重要なテーマですが、医療の格差、医師不足、医師負担の増加、医療費の高騰など、様々な課題があります。富士フイルムグループは、創業間もない1936年からレントゲンフィルムの製造をはじめ、長年、「診断」領域で貢献してきました。近年、「予防」「治療」へも領域を拡大、当社グループの成長戦略の一つと位置づけ、「人々の健康」分野での貢献の幅を広げることに取り組んでいます。今回の計画策定にあたっては、当社グループの持つ技術、製品、サービスを棚卸しし、社会課題解決に向けた貢献の可能性の大きさから4つの課題を設定しました。
<社会課題>国際社会のリスク
- 高齢化
- 医療費増大
- 医療の地域格差
- 健康寿命
- アンメットメディカルニーズ
- グローバルヘルスetc.
SDGsの目標にも掲げられている「健康」。例えば糖尿病は予防や治療が可能な病気であるにもかかわらず、多くの国、特に開発途上国で劇的に増加、その原因の一つは現代病でもある肥満です。世界の糖尿病患者は4億2,200万人、糖尿病による死亡者は約150万人で、今後20年間で倍増すると見込まれています。糖尿病のもたらす問題が世界でより深刻化したことから、WHOは2016年の世界保健デーのテーマを糖尿病としました。
【重点課題1】 医療サービスへのアクセス向上
【目標】
- (1)新興国の医療環境の改善
- (2)災害・救急医療における診断機会、精度の向上
- (3)医師負担の軽減による診断機会、精度の向上
【重点課題2】 疾病の早期発見への貢献
【目標】
- 正確性を向上、身体的負担を軽減した検査システムの普及拡大
【重点課題3】 アンメットメディカルニーズへの対応
【目標】
- 有効な治療法が見つかっていない疾病の治療薬の開発
【重点課題4】 健康増進、美への貢献
【目標】
- (1)健康寿命を延ばし、ポジティブな毎日をサポート
- (2)健康的な美しさを維持し、輝き続けたい女性を支援
SVP2016総括
富士フイルムグループはトータル・ヘルスケア・カンパニーを目指し、高性能の医療機器開発やM&Aなど、着実に体制強化を図りつつ、4つの重点課題に対し、大きく貢献しました。
1. 医療サービスへのアクセス向上
中東、アフリカ地域での教育研修サポートや、小型携帯タイプの超音波診断装置、病院向けITソリューションなどハード・ソフトの両面から、新興国を含む、市民の医療サービスへのアクセス向上や、医療従事者の負担軽減に貢献しました。
2. 疾病の早期発見への貢献
内視鏡をはじめとする医療用画像診断機器やインフルエンザ迅速検査システムの浸透により、疾病の早期発見に貢献しました。
3. アンメットメディカルニーズへの対応
がんやアルツハイマーなどに対応する新薬の開発を進めたほか、副作用が少なく、高い効能が期待できるバイオ医薬品を中心とする医薬品のプロセス開発・製造受託事業の拡大を図りました。また再生医療の産業化に向け、M&Aや、複数の国際的研究機関との共同研究を開始するなど、技術面・経営面を強化しました。
4. 健康増進、美への貢献
写真フィルムの抗酸化研究で培ってきた知見や、独自のナノ化技術をもとに、新たなサプリメントや化粧品を提供し、健康寿命の延伸や女性の活躍に貢献しました。
新CSR計画「SVP2030」に向けて
アンメットメディカルニーズへの対応として、がん、感染症の治療薬の開発や、アルツハイマー型認知症の予防・診断・治療法の開発に注力していきます。また再生医療を通じて、薬で治せない疾患の治療への貢献、さらに高齢化に伴う在宅医療の促進や医師負担の軽減、新興国を含めた疾病の早期発見への貢献、および健康寿命を延ばすための取り組みを進めていきます。
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