【重点課題1】地球温暖化対策の推進
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。
基本的な考え方
富士フイルムグループ「電力自己託送」に関わる拠点の所在地(2017年3月現在)
気候変動に関するパリ協定が発効し、世界全体が脱炭素化社会に向けて舵を切り、動き出しました。
富士フイルムグループでは、CO2排出削減の対象を自社内の直接的な活動だけでなく、製品のライフサイクル全体(原材料の「調達」、製品の「製造」、「輸送」、「使用」、「廃棄」)に広げ、各段階でのCO2排出量を管理指標として、グループ全体で継続的な削減の取り組みを行っています。今回、パリ協定に基づく国際的な目標も見据え、新たな目標「2030年度までにCO2排出量を製品ライフサイクル全体で30%削減(2013年度比)」を策定しました。今後、ライフサイクルの段階ごとに削減の取り組みを進めていきます。特に製造段階では、これまでの省エネルギーの推進・エネルギー利用効率の最大化に加え、再生可能エネルギーの導入・活用も含めたエネルギー源の低炭素化にも注力していきます。また、製品開発では環境配慮設計の仕組みに基づき、ライフサイクル視点で環境に配慮した設計・開発を行い、CO2排出削減への貢献を図っていきます。
目標
- ライフサイクル全体のCO2排出量を2020年度までに2005年度比30%削減
2016年度の活動
<トピックス>お客さまと取り組むCO2排出量削減活動
アスタリフトの活動がカーボン・オフセット大賞「優秀賞」を受賞
富士フイルムは、地球温暖化対策の新たな取り組みとして、「カーボン・オフセット」を用いてお客さまとCO2排出量削減に取り組む活動を2016年度より開始しました。スキンケアシリーズ「アスタリフト」を“1個ご購入いただくとお客さま自身が日常生活で排出する1日分のCO2排出量6kgが削減できる”取り組みです。環境省が推進する「COOL CHOICE」とも連携し、カーボン・オフセット付き製品を選択することで、無理なくCO2削減になることや、日常生活のCO2削減のポイントなどを呼びかけています。
身近なお客さまの行動をCO2削減と関連付けて「地球温暖化防止の意識啓発」につなげたことが評価され、第6回カーボン・オフセット大賞(*)の「優秀賞」を受賞しました。アスタリフトは、容器に使うプラスチック量削減などにも取り組んでおり、今後もお客さまとともに化粧品事業における環境への取り組みを積極的に行っていきます。
* カーボン・オフセット推進ネットワーク主催。2011年度開始。本取り組みによる売上の一部は、開発途上国における自家用太陽光発電システムの導入などのCO2削減プロジェクトに役立てられ、このプロジェクトから得られたCO2削減分を製品を購入いただいたお客さまの日常生活で排出するCO2の埋め合わせ(オフセット)に使う仕組み
アスタリフトで取り組むカーボンオフセットの仕組み
OPINION 「地球温暖化対策の推進」への第三者意見
SVP2030を毎年見直すような「強い意志」で、地球温暖化対策の
リーダー企業となることを期待
国連環境計画・金融イニシアティブ
特別顧問
末吉 竹二郎 氏
プロフィール
UNEP FIに関わるほか、中央環境審議会など各種審議会委員、川崎市、鹿児島市の環境アドバイザー、大学非常勤講師、企業の社外役員、財団理事などを務めている。環境と金融、企業の社会的責任などについて講演などで啓発に努める。
富士フイルムグループの地球温暖化対策については定評のあるところです。
2016年度に終了したSVP2016が着実に成果を挙げ、資源エネルギー庁長官賞、カーボンオフセット大賞優秀賞、それに、3R推進協議会会長賞の受賞につながったことは大変素晴らしいことです。それに満足せず、パリ協定やSDGsの実践が本格化する世界情勢の新たな展開を受け、2030年に向けた新たな目標であるCO2排出量の30%削減がスタートしました。
無論、これは富士フイルムグループにとっては大変意欲的な目標ですが、その一方で、世界の有力企業は、地球温暖化問題の一層の深刻化を受け、文字通り「ゼロ・エミッション」への歩みを始めました。パリ協定が求める脱炭素化は年を経るごとに加速化していきます。富士フイルムグループもSVP2030を毎年見直すような「強い意思」で地球温暖化対策の世界のリーダー企業を目指していただくことを願っています。
第三者意見を受けて
SVP2016で進めてきた地球温暖化対策の取り組み・成果や新しく策定した2030年に向けた目標を高く評価してくださり、ありがとうございます。
富士フイルムグループは、パリ協定を機に、脱炭素化に向け新たなスタートを切りました。グループ全体でのエネルギーの効率使用・低炭素化・省エネ施策推進や再生可能エネルギー利用機会の探索と活用、低炭素化に資する製品開発など、新たな視点も加え、長期スパンで取り組みを進めていきます。今後、毎年進捗レビューを行い、2030年目標の達成に留まらず、その先の脱炭素化に向けて、全力で取り組んでいきます。
(富士フイルムホールディングス 経営企画部CSRグループ)
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