【重点課題2】多様な人材の育成と活用:2016年度の活動「多様な働き方の実現」
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。
富士フイルム
富士フイルムでは、多様な社員一人ひとりが能力を発揮できる会社を目指し、自分の強みを持ち、効率的な働き方で成果を出す風土に変革するため、2014年度から「Work Style Innovation」活動を継続的に実施しています。活動には①働き方の変革(一人ひとりが時間あたりの生産性と成果を高める工夫をする)、②多様な社員の能力発揮(性別・年齢に関係なく、自分の強みを持ち、仕事に生かす)、③支援の充実(育児・介護との両立など多様な働き方の実現をサポート)という3つの柱があります。
働き方の変革に向けて、全社でITツールを導入し、各職場での優秀な活用事例を集めた発表会や、専門家による目的別、レベル別の活用セミナーを展開し、効率的で生産性の高い働き方の実現を支援しています。2016年度は、週2日の定時退社日の曜日を全社で統一し、新たにプレミアムフライデーの奨励によるメリハリのある働き方促進に取り組みました。また、各職場の役職者で構成した委員会活動を全社でスタートし、時間あたりの生産性の高い働き方実現に向けた取り組みを加速しています。
2年間で延べ1,500名以上の社員が参加した「介護と仕事の両立支援セミナー」
一方、育児や介護を抱える従業員が意欲高く、継続的に力を発揮することを目的に、条件を満たす社員が週の一定日数を自宅で勤務できる「在宅勤務制度」の導入など、支援の充実も進めています。取り組みの一つである「介護と仕事の両立支援セミナー」では、2016年度は役職者を中心に展開し、これまでに延べ1,500名以上の社員が参加し、介護に直面した際の適切な対応方法について学びました。
さらに育児などのライフイベントによりキャリアが分断されることなく身に付けた経験、専門力が生かせるよう、育児休職後は元職場での復職を原則とし、復職後も育児休職明けの従業員とその上司を対象にしたセミナーなどでサポートを継続することで、スムーズな復職につなげています。
また、ダイバーシティの一環として、定年者再雇用に加え、障がい者雇用についても、グループが一体となり、中長期的な拡大目標を掲げて推進しています。各社の雇用拡大活動を支援するスキームをグループ全体で構築し、職務開拓や定着・マッチングにつなげています。
今後の進め方
今後も引き続き、3つの柱に沿った活動を進め、多様な社員の能力発揮ができるよう、働き方の変革、支援の拡充を行っていきます。
富士ゼロックス
富士ゼロックスでは、多様な人材の積極的な採用・登用、その人材がそれぞれの能力を最大限に発揮できるフレキシブルな就労形態の整備、グローバル化・サービス化に必要なビジネススキルを向上させる能力開発の促進など、常に変化する社会の要請を敏感に察知し業務に反映できるよう、従業員が社会と接点を持つ機会拡大の支援などを推進しています。2016年度は、これまで取り組んできた生産性向上・ダイバーシティ推進・ワークライフバランス実現を目指した「働き方変革」の活動が評価され、「平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選」経済産業大臣表彰、「第1回働きやすく生産性の高い企業・職場表彰~魅力ある成長企業~」大企業部門奨励賞、「第17回テレワーク推進賞」テレワーク実践部門優秀賞など、各賞を受賞しました。
2016年度は、女性活躍推進法が施行されたことを受けて、計画策定や情報公表が義務付けられていない300人以下の会社も含めて、国内の富士ゼロックスのグループ各社で「女性活躍推進法に基づく行動計画」を策定し、情報公開を実施しました。現在、各社において各々の行動計画に基づいた取り組みを展開し、女性活用を推進しています。また、女性の退職理由の一つとして常に存在してきた「結婚や配偶者の転勤によるキャリアの中断」に対して、配偶者の新任地や居住地付近の拠点への異動や出向を希望できる「配偶者転勤帯同制度」も国内グループ全社で導入しました。その結果、同事由による退職数は大幅に減少し、キャリアを中断することなく働き続けることができるようになってきています。また、就労継続支援だけでなく、女性のエンパワーメントを目的として、選抜型の育成プログラムを実施するほか、積極的なマネジメント登用を推進しています。
シニア人材については、2006年度に「セカンドライフ・プログラム」を導入し、定年後の従業員の活躍推進や多様な生き方の支援を行っています。また、障がいのある社員の活躍推進に向けては、職務遂行・職場生活支援のための相談体制や情報サポート、障がい者が在籍するチームやマネジメントのためのワークショップなど、様々な施策を実施しています。
役職者および管理職に占める女性の割合
(富士ゼロックスおよび関連会社)
今後の進め方
“多様性の尊重”をさらに根付かせ、ダイバーシティ人材の活躍を促進していくための施策の一つとして、LGBT(*)に関連する理解の浸透や仕組みの整備を通じて、誰もが活躍できる風土の醸成への取り組みを強化していく予定です。また2017年度は、女性活躍の阻害要因をより深く分析し、それら課題の大小を問わず、各々に応じた施策を積極的に実行していきます。同時に社内のイントラサイトで展開している「ダイバーシティWEB」を使って有用な情報を高頻度に発信することにより、従業員が「女性活躍推進」に向けた風土改革を実感として得られることを目指します。シニア人材については、定年後も高い労働意欲を持ち続けて活躍してもらうために、より働きがいを持てるよう、さらなる制度改定を進めます。
* LGBT:Lesbian(女性同性愛者)、Gay(男性同性愛者)、Bisexual(両性愛者)、Transgender(生まれ持った性別と違う性別で生きたい人)の頭文字
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