生活
※このページはサステナビリティレポート2016の記事内容です。
基本的な考え方
富士フイルムグループの創業の原点である写真には、思い出をカタチに残し、人生を豊かにする力があります。2011年の東日本大震災で行った「写真救済プロジェクト」により、その思いは強くなりました。復興支援活動のなかから生まれた「遠野みらい創りカレッジ」では、これからの地域活性化のあり方を模索しています。写真、ドキュメントによるコミュニケーションの活性化、文化遺産を後世に伝えること、社会にとって重要なデジタルデータの安全な保存、事故や犯罪の少ない安全な社会で、誰もが人々とのつながりをもち、心豊かな人生をおくることへの貢献を目指し、新たな製品、サービスを開発し、社会に普及させていきます。
<社会課題>国際社会のリスク
- 安全・安心
- 情報の保存・伝達
- 関係性・生きがい
- 文化・芸術の継承・保存etc.
あらゆるものがデジタルデータとして保存されるビッグデータ時代、世界で生成されるデータ量は飛躍的に増加し、2013年の4兆4,000億ギガバイトから2020年には44兆ギガバイトへと10倍の規模に拡大すると予想されています。しかし2013年の時点で利用可能なストレージに保存できるデータは全体のわずか33%、2020年までには15%以下に下がると言われ、貴重なデータを安全に管理する方法が課題となっています。
【重点課題1】 安全、安心な社会づくりへの貢献
- 【目標】重要情報の長期保存、防犯、情報セキュリティ向上、社会インフラの安全性向上に寄与する製品の普及
【重点課題2】 心の豊かさ、人々のつながりへの貢献
- 【目標】(1)貴重な文化・芸術作品の伝承への貢献
- (2)地域コミュニケーション活性化のためのソリューションの開発
- (3)思い出をカタチにし人生を豊かにする写真製品の普及
2015年度の活動
富士フイルムグループは創業以来、写真文化の発展に貢献してきましたが、2015年度には2006年から規模を拡大して実施してきた「“PHOTO IS”想いをつなぐ。30,000人の写真展」が高く評価され、「メセナアワード2015」で優秀賞である「写真伝想賞」を受賞しました。
インスタントカメラ「チェキ」シリーズのラインアップ拡充や、「Year Album」、「シャッフルプリント」などの付加価値プリントの拡販により、デジタルカメラやスマートフォンの写真撮影に慣れ親しんだ若者層を中心に、撮影したその場で写真を楽しむことや、多くの画像を活用した新たな楽しさの普及に努めました。また、ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-T10」やフラッグシップモデル「FUJIFILM X-Pro2」の導入などで、卓越した写真画質と操作性、機動性を提供しました。
光学レンズでは、他社に先駆けて販売した4Kカメラ対応の放送用ズームレンズが画質面で高い評価を受け、ワールドワイドでの販売を拡大させており、記録メディアでは、「BaFe(バリウムフェライト)磁性体」などの独自技術を使用し、大容量データのバックアップに使用される「FUJIFILM LTO Ultrium7データカートリッジ」や、データアーカイブサービス「d:ternity(ディターニティ)」を展開し、大容量のデータを長期間、安心、安全に保存できる仕組みを拡大させました。
今後の進め方
写真文化を大切に育んできた当社として、「“PHOTO IS”想いをつなぐ。30,000人の写真展」を高く評価していただいたことは大きな励みとなりました。今後もデジカメ・スマホ時代における写真やプリントの魅力をさらに広げ、心の豊かさに貢献していきます。一方、増え続けるデータを安全に長期保存できるシステムや、訪日外国人観光客に向けた多言語サービスなど、さらに多様化する価値観やライフスタイルに対応したイノベーティブな商品やソリューションを引き続き提供していきます。
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