【重点課題1】グローバルなコンプライアンス意識の向上とリスクマネジメントの徹底:2016年度の活動「労働安全衛生、健康増進」
※このページはサステナビリティレポート2017の記事内容です。
労働安全衛生、健康増進
富士フイルムグループ
富士フイルムグループは、ビジョンとして掲げる「新たな価値を創造するリーディングカンパニーであり続ける」には、活力ある風土と、従業員が安心して心身ともに健康で生き生きと働き、活躍できることが不可欠と考えています。加えて労働生産性の低下(労働損失日数の増加)や医療費の増加などが顕在化してきたことから、2013年7月に各社の人事部、産業医、富士フイルムグループ健康保険組合からなるグループ横断の健康増進推進協議会を立ち上げ、生活習慣病重症化防止、禁煙対策、メンタルヘルス対策、過労働対策の4つを重点領域として活動を開始し、取り組みを進めてきました。2016年度はこれまでのこうした取り組みが高く評価され、優良な健康経営を行う法人を顕彰する制度である「健康経営優良法人2017(大規模法人部門)~ホワイト500~」に富士フイルムホールディングスが認定されました。
「健康経営優良法人2017(大規模法人部門)~ホワイト500~」発表会の様子
富士フイルム
富士フイルムでは、生活習慣病予防としてがん対策、メタボ対策に取り組んでいます。その中の取り組みの一つとして2014年に本社ビルに「西麻布内視鏡クリニック」を開設し、従業員が内視鏡検査を受けやすい環境を整えることで、がん発見率向上と早期治療につなげてきました。また、一部の従業員については大腸がん検診費用の7割を補助する「大腸がん検診補助制度」を展開し、さらなる受診率向上を推し進めています。また、禁煙対策としては2015年より富士フイルムグループ横断での「就業時間中禁煙」に取り組むとともに、禁煙外来費用の一部を補助する「禁煙外来補助制度」の活用により、卒煙に向けた支援を継続して行っています。
一方、メンタルヘルス対策では産業保健スタッフ、人事部からなる「全社メンタルヘルス、健康推進委員会」を毎年開催しています。特に、これまでの蓄積データの分析を通じたメンタル不調の未然防止や予兆の早期発見に力を入れており、休業率の低下などで成果を上げています。また、働き方の変革に向けた取り組みの中で、効率的で生産性の高い働き方を推進し、長時間労働の削減を進めています。
また労働安全衛生の観点では、2016年度分より海外での労災発生状況の把握を開始しました。労働災害は各国で定義が異なり、一律の基準での集計が難しい状況ですが、まずは各国基準で集計、傾向を分析し、対策を検討する予定です。
富士ゼロックス
富士ゼロックスでは厚生労働省が掲げる喫煙率目標「2021年度12.2%」の早期達成を目指し、グループ横断で実施している禁煙対策を推進。2014年度の19.1%から2016年度には16.8%にまで低下しました。またがん対策としては、全社で受診できる体制や補助制度を整えた結果、胃部内視鏡検査受診率は7割、婦人科がん検診受診率も7割を超え、がんの早期発見・早期治療につながっています。一方、メンタルヘルス対策は、毎年実施しているストレスチェックが89%の実施率となりました。また、長時間労働面談者数は前年度比で36%増加となったため、各事業所の安全衛生委員会を中心に原因・対策を議論するとともに、個別データに基づく予兆マネジメントの強化を行い、長時間労働による健康障害発生リスクの低減に努めています。
労働安全衛生の観点では、各事業所の安全衛生委員会活動を通じた労災原因の究明、再発防止策の検討とともに、労災防止に関する感性を高める活動に継続して取り組んでいます。
今後の進め方
2016年度に導入した健康データベースに、ストレスチェックや長時間労働者に対するヘルスチェック、定期健康診断データを蓄積・活用し、健康増進施策に関するPDCAを回すとともに、組織としての健康度の解析を強化するなど、これまで以上に効果の高い労働安全衛生・健康増進施策を展開していきます。
また、前述のグループ共通の重点実施項目については、新CSR計画に基づきKPIを設定するなど、グループ横断で健康増進活動に取り組んでいきます。
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