健康
※このページはサステナビリティレポート2015の記事内容です。
<トピックス5> 医療現場の作業改善を実現するダブルバッグ製剤 富山化学工業と富士フイルムの協力で開発
ダブルバッグ製剤」の調製作業
注射用抗生物質製剤は、バイアルというガラス瓶に入った製品が多く、点滴として使用する前に必要な薬剤と生理食塩水を混ぜる「調製作業」が煩雑でした。そのため、日々多くの患者さんに対応する多忙な医療現場からは、その作業性の改善が強く望まれていました。
そのニーズに応えるのが「ダブルバッグ製剤」です。薬剤と生理食塩水をバッグに密封し、その境界を溶着して分割した製剤で、投薬時に生理食塩水部分を押すと溶着部分が開通し、薬剤と生理食塩水が混ざります。バイアルに比べ調製が簡単(薬剤がすぐに溶ける)で、さらに密封されたバッグ内で調製が完結するため、調製作業時の細菌汚染や異物混入を防止できるのが特長です。従来のバッグ製剤は、薬剤の酸化・吸湿を防ぐため、薬剤部分にアルミフィルムが貼られており、投薬前にそれを剥がす必要がありました。またアルミフィルムを貼らないタイプでは、薬剤部分に乾燥剤が添付されていました。
2015年2月に生産がスタートした富山化学工業のバッグ製剤は、富士フイルムが開発したバリア性と透明性を併せ持つ「超ハイバリア性透明フィルム」を使用することで、アルミフィルムや乾燥剤を添付することなく高い防酸化性と防湿性を実現し、さらに内部が確認しやすいという利便性も両立した、イノベーティブな製品です。今後もこのような製品開発を通して、医療現場での負担軽減と医療の質向上に貢献していきます。
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医療現場の作業改善を実現するダブルバッグ製剤 富山化学工業と富士フイルムの協力で開発 - <トピックス6>
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